フラワーズ(6.0)
2008年09月05日
<あ・ら・す・じ>
文人墨客に愛された古い観光の街、和澤。
主人公は、この土地に住み、地元朋美学園に通う2年生。
音楽を始めようと楽器店へと出かけたゴールデンウィークの最終日。
ベースを買って帰るその帰り道。
観光地の喧騒の中、主人公は一人の女性と出会う。
<キャラクター紹介>
三ノ瀬 ななせ(さんのせ ななせ)CV:春瀬 みき
文化財にも指定されている和澤の古い洋館に住む小説家。
おっとりとしていて天然ボケともいえる性格で、口癖は「萌え」。
買い物好きですなおと同行しないときはつい買いすぎてしまう。
川原 すなお(かわら すなお)CV:冬樹 みずほ
三ノ瀬ななせの屋敷で働くメイド。普段は東京で大学生をしている。
必殺の掃除テク「リバー・ラーンズ・スール・イット」を始めとする家事のスキルは高い。
テンポの良い喋りと明るい性格で、趣味はシンセサイザー。
巣鴨 さと子(すがも さとこ)CV:松永 雪希
真面目な性格の主人公のクラスメート。
やや引っ込み思案で他人と話すのが苦手なため地味に見られている。
趣味は読書、温泉、史跡めぐりなど。
九尾 みりん(くお みりん)CV:夏川 奈々美
明るい性格の主人公のクラスメート。
人懐っこく、子供っぽい性格のためそうは見えないが、実は繊細で頭の回転も速い。
特に両親が美術関係の仕事をしているせいか、美術関連の話題には詳しい。
小川 るな(おがわ るな)CV:上戸 琉
主人公の同級生で去年までのクラスメート。さと子の親友でも有る。
強気で明るい性格と、やたら横文字を織り交ぜる喋り方が特徴的。
音楽(特にファンク)を愛好しており、12弦ギターを弾きこなす。
鳴登 らみか(なると らみか)CV:香月
主人公を「おにいちゃん」とよんで慕う妹。中二なので攻略不可。
紅茶や花といったものが好きで、非常に女の子らしい性格。
ややおとなしく、優しい子だが、誰よりも兄思い。
鳴登 海(なると うみ)主人公・リネーム不可
自他共に認める重度のシスコンで、妹を猫かわいがりしている。
性格的には世話好きでややおせっかいな一面もある。
休みや学園帰りはさと子と寺社仏閣を巡ることも多い。
このホームページはAaruより一部文章を抜粋しています。
素材の著作権はAaruに帰属します。
<システム周り>(ver.1.00)
取り立てて変わった部分は無く、オーソドックスな感じの選択肢型AVGです。
細かいシステム周りは上記参照。他にエンディング回想が有ります。
それから全エンディングクリア後に選択できるアナザーストーリーがひとつあります。
オートモードについては、かなり微妙です。
音声の再生待ちをしないでメッセージが表示されると次へ行ってしまうので、音声が無くてもかまわないという方以外はオートモードが実用に耐えないという仕様です。
更にもう一つ、既読・未読ともメッセージスキップの際に画面効果・演出はスキップしません。
このゲームは全体にそういった画面演出やウェイトがかかるシーンがが多めなので、スキップはやや使いにくい感じがします。
とはいえ、メッセージを送る速度自体は非常に速いので、全体的に見ればそれほど遅くはないですが…。
以上2点を除けば特に不満点はなかったです。
使いやすい…とまではいえないものの、最低ラインはクリアしていますし、ディスクレス起動も可能です。
総体的に見て標準レベルの足回りかと。
プレイ時間はルートによって長さが変わりますが、1プレイ3~5時間程度で、コンプまでにスキップを使用して20時間程度と言うところでしょうか。
選択肢数はやや多いものの、比較的分かりやすく、それほど苦労しないと思います。
話に影響しない直後の会話が変化する選択肢が多めで、重要な選択肢自体は少ないです。
<音声>
女性のみフルボイス。キャストは上記参照。
基本的にキャラクターには合っていると思います。
やや演技過剰に聞こえるところもありますが、全体的にはそれも含めてキャラクター造形に役立っているのかな、と。
特にキャラが歌う(といってもアカペラで)「歌」やスキャットは非常にいい感じです。
「アメージンググレース」を口ずさむなんか、とてもいいです。
<音楽>
全21曲。うちボーカル曲は1曲。
OP曲「girl's garden」(Vo.加藤ひさえ)は、テンポの良い曲調に力のあるボーカルで、全体に爽やかな雰囲気を出しています。
BGMは非常にゲーム音楽らしくないというか、バリエーションが広いです。
ファンクやロック色が強いものから、プログレ、アンビエント、ブルース、ワルツ、ジャズ、ボサノヴァ風など様々な音楽の要素をとり入れていて非常に面白いです。
音自体も生楽器から電子音、スキャット、ボーカルサンプリングまであり、非常に音に広がりがあるといえます。
特に、フェラシーンのようなチュパ音(じゃないかもしれませんが、そう聞こえます)が「BGMとして」サンプリングされているのは面白いです。
音自体の出来は良いですし、基本的には場面にあっていますが、やや自己主張が強すぎるため、場面をBGMが印象付けてしまっているときもある気がします。
<CG>
原画はゆきみだいふく氏。やや癖の強い画風ですね。
立ち絵によっては顔と肩幅が同じくらいだったりしますし、体つきのバランスや顔の造形も目の大きいロリッぽい絵柄です。
とはいえ、微妙に顔の造作や体全体のバランスの書き分けが出来ておらず、ややどのキャラもパーツが似ているように感じるのはマイナスポイント。
また、CGの描き方自体が余り動きを感じさせないのも残念なところ。
それから、このゲームで、立ち絵やイベント絵のある男キャラは主人公だけですが、主人公の絵はいまいちですね。
一応顔もあるのですが、のっぺりとしていて「生きた」表情が感じられない気がします。
原画の方が男キャラを描きなれていない感があります。
また、特徴的としてはゲームの雰囲気に合わせてだと思いますが、CGのアングルにエロゲらしからぬものが見受けられます。
どちらかといえば通常シーンでは映画的なモノや、Hシーンではレディースコミック的なアングルがあったりしますので、その辺は面白いところですね。
ただ、そのせいでばっちり主人公が描写されてしまうのが…。
いや、主人公にCGや顔があること自体は全然構わないのですが、上で書いたように主人公の顔グラフィックがちょっとイマイチな感じがあるので…。
アングル自体はゲームにも合っていると思いますし、よく考えられていると思うのですが…。
Hシーンでヒロインメインではなく、主人公メインっぽいアングルだったりするときもあるので、その点は少し好みの別れるところかと思います。
塗りに関しては光の加減がちょっときつめで光沢が強いのが気になりましたが、色使い自体は綺麗だと思います。
個人的には光沢がありすぎて硬そうな髪の毛や服の塗りはいまいちかな、と言う印象を受けました。
背景に関しては室内と室外で非常に両極端な気がします。
室外の背景に関しては店の看板から木々の緑まで非常に丁寧に書き込まれており、いい感じですが、室内の設定は調度品も少なく非常にシンプル。
教室などは特にそれが顕著で、背景はいつでも無人、黒板はまっさら、壁には黒板とスピーカーしかないというシンプルさ。
普通黒板の左右のスペースに掲示板や小さい黒板、上に時計なんかがあると思うのですが…。
どちらも塗りは落ち着いた色調で悪くないだけに、室内の背景の寂しさが目に付きます。
立ち絵は絵柄自体が許容できればいい感じではないかと思います。
キャラにもよりますが、種類も多く、微妙なポーズや表情の違いも描写されており、会話シーンを生き生きと表現しています。
特に、このゲームでは、セリフではなく、立ち絵の表情をくるくる変える事で戸惑いや照れを示す演出をしていることもあり、立ち絵には力が入っていると思います。
CG枚数は差分含めて92枚。
必要と思えるところにはありましたし、枚数としてはそれほど不足は感じませんでした。
<Hシーン>
ルートによってかなり変わってきます。
さと子、るな、みりんあたりの学生組はエンディング前1回の王道パターン。
ななせ、すなおには複数回のHシーンを搭載。
エンディングによっては、Hシーン無しで行き着くEDもあります。
Hシーン自体も基本はペッティング&フェラ⇒ノーマルHというごくごくノーマルな流れ。
シチュ自体は和姦オンリーですが、一部には3Pやバスルーム内でのHなどもあります。
ただし、シナリオ内では1日中Hしていることになっているにもかかわらず、最初の1回以外描写されずに次の日になってしまったりするのはエロゲーとしては、やや不満の残るところかも知れません。
1回のHシーンの尺自体は標準程度だとは思います。
また、上でも書きましたが、アングルと演出がやや独特で、例えばHシーンの最中に窓の外のCG(夜の森)や、背景のアップ(壁と天井の境目など)が挟まったりするあたりはレディースコミックのHシーンの描写に近い気がします。
前戯が長めで挿入してからが短めだったり、イベントCGのアップを使って、体の一部だけを描写したりするのもその系列でよく見かけますし、Hシーン自体もいわゆるエロゲー的スタンダードからはやや外れていると思います。
ただ、フェラシーンなども結構あり、ペッティングもやや長めで声優さんも頑張っておられるので、絵柄と、独特のアングルが許容できれば悪くないのではないかと。
<感想>
メーカーサイトでの売りが「端的に言うならば、邦画+少女小説+エロコメ+レディコミのミクスチャー」だそうですが、確かに他では余り見ないようなゲームです。
それはシナリオや演出など多岐にわたていますし、このゲーム「ならでは」というオリジナリティが高いというのは、非常に評価してもいいと思います。
独特のノリと言うか、ゲーム全体のかもし出す雰囲気は他のゲームとは全く違う感覚を全体から受けます。
ま、逆に言うと非常に一般受けしにくいというか、オススメしにくく、レビューもしにくいということではありますが…。
例えば、とあるキャラクターのシナリオでは、いきなりシットコム(シチュエーションコメディー)風の演出が入ります。
ちなみにシチュエーションコメディとは、「奥様は魔女」や「世界の料理ショー」なんかが代表的ですが、わざとらしい観客からのリアクションが入るのが特徴的です。
要所要所に「笑い声」や「拍手」などが入るアメリカのホームドラマですね。
おそらく、一度くらいは見たことがあるのではないでしょうか?
しかも、一部だけでなく、そのキャラシナリオでは最初から最後まで…。
むろん、他のキャラでは入りません。
たしかに、エロゲーでは見ないスタイルですし、こういうのもありかな、とは思いましたが、逆にだからこそエロゲーというカテゴリーで勧めていいものか分かりません。
全体のシーンを通してみても、ノリ的にはそういった映画やドラマといったものから着想を得たと思われるシナリオ展開、演出構成です。
シナリオ自体は平凡と言うか、まぁ、山も谷もなく、ルートによっては恋愛要素すら非常に薄いので、そこら辺もシチュエーションコメディに通じるものがあるかと。
シナリオ自体、始まりも終わりも無い、日常の切り出しと言う感じですし…。
何の説明もなくホンモノのネコミミ、猫尻尾が生えてきてしまうような世界観を前にシナリオについて言うなど無意味です^^;
いずれにせよ、テキストや演出の間の取り方や見せ方、CGのアングルなど、全体的に「映画的」な手法が散見され、おそらくそれがこのゲームの「芯」ではないかと。
シナリオ自体は一人のシナリオを除けば、平凡と日常の組み合わせ以上ではないですし、その一人に関してもナンセンスに走っている以外は地味極まりないです。
ゲームシステム自体も背景+立ち絵+メッセージウィンドウという、きわめてオーソドックスなものしか使えない中で、いかに場面の「流れ」を感じさせるかと言うことに重点が置かれており、その構成はやはり映画・ドラマ的と言えるでしょう。
反面、<システム>の項でも書きましたが、その演出がまったくスキップ出来ないという事は欠点でもあります。
確かに演出には力を入れていますし、ゲームを上手く飾っていると思いますが、演出によって秒単位でのウェイトをかけたりする場合、やはりスキップできるようにするのが親切なのではないかと。
演出に関して、こちらの介在する部分がほとんどなく、ゲーム作成者のテンポを強要される訳で、こちらは見せられているだけであり、ゲームというよりは一つの映画やドラマのような作品を見せられている感覚があります。
おそらく、このゲームの狙いはそこなのかもしれませんが、それは裏を返すとゲームの作成者に近い感性や感覚を持っている方しか楽しめないと言う意味で、作品自体の可能性を狭めていると言うことではないでしょうか。
また、テキストに関してですが、コレに関してもこのゲームを特徴付けるポイントであるといえると思います。
改行とウェイト、クリック待ちを多用することで、テキストにテンポを与え、文章自体で場面の流れやリズムを作る、非常に詩的なテキスト表現です。
逆にいうならば、ユーザー側に自分のペースで読むことを全く与えてくれないとも言えますので、ゲームの文章自体のテンポ、流れが肌に合わない人には非常に苦痛に感じるかもしれないです。
例えば冒頭はこんな感じです。↓
今日は5月5日。
5月の最初の月曜日。
とても空の高い
よく晴れた日で。
今日は5月5日。
ゴールデンウィーク最後の日。
長袖だと
ちょっと
暑いような日で。
と、上のような感じでテキストを流していきます。
ノベルゲームでは見かけないわけでは無いですが、いわゆるメッセージウィンドウ使用のAVGスタイルではまず見ない文章のスタイルです。
1行ごとにクリック待ちが入りますし、1行あたりの表示文字数は少なめなのでゲームの流れが合わない人は、いらつきそうなテキスト構成です。
さらに、オートモードも使いにくく、ページ一括表示も演出のスキップもないので、コレを全ての場面で強制されます。
個人的には、場面の流れに即してよく考えられたテキスト構成だな、とむしろ感心しましたし、それ程くどいとも感じませんでした。
しかし、やはりこの辺は人によって好みの分かれるところですので、オプションなどで一括表示をつけたほうが良かったのではないかと。
テキストに関しては独特の表現技法が許容出来れば非常にまとまっていていい感じだと思います。
地の分と会話のバランスや流れ、会話と会話の綺麗なキャッチボールなど、上で示した演出とあわせて、非常に自然に流れとして受け止められるテキストだからです。
特に会話の組み立ては目立つようなキャラクターの特徴ではなく、きちんと日常会話として構成させようと言う努力が見えて好感を持てます。
ただし、学生らしい「日常会話」を組み立てる為に、テレビや映画、音楽、タレントの話などが話題として多く出てくる関係もあり、そういった芸能ネタのパロディが大量に出てくるので、その辺は人によっては好みが分かれるところでしょう。
個人的には、普通のキャラがいきなり濃いマニアなトークをするよりは自然だとは思いますが、何故か80年代~90年代初めくらいのネタが結構多かったりしますので、そのあたりのTVや音楽に詳しくない人にはいまいち理解できないかもしれません。
また、主人公の一人称部分、つまりテキストのト書きの部分では他社エロゲーのネタも割合多くパロディにされていたりします。
しかし、STUDIOねこぱ○ちのゲームをネタにしたギャグって、一体何人の人に通じるのでしょうか^^;
結論から言えば、エロゲーらしくないエロゲーをたまにはプレイしてみたいという方で、ドラマ(特に海外ドラマ)、映画なんかが好きな方にはそこそこオススメできるかと。
ただし、システム面やキャラクターなどはエロゲーと言う枠を踏んでいることから、ある程度普通のAVGをプレイしていることも前提となりそうな気がします。
そういう意味で、オーソドックスなAVGにちょっと飽きたときの端休めというか、気分転換にプレイするのが向いている気がしますね。
ただし、「雰囲気ゲー」ですので、シナリオや絵、エロ目当てには出来ないかと…。
昔コンシューマーで「やるドラ」と言うのがありましたが、それとは逆に「見るゲーム」と言う感じです。
基本的には選択肢があり、マルチエンディングで、テキストを自分の手で送るというゲームのスタイルをとっていますが、テンポや雰囲気は全て製作者側から与えられているものであり、どちらかと言うとユーザーは受け取り、感じるだけのものと言う意味でドラマや映画のような一方向的なメディアに近い気がします。
「ゲーム好き」よりは「映画・ドラマ好き」の方のほうが楽しめるかもしれません。
<10点満点での総合評価>
6点
個人的には結構お気に入りですが、誰にでもオススメとは言いがたい作品です。
お気に入りのキャラ:巣鴨さと子&州来美石(脇役)
最後に一言:「他のエロゲーとは違う「オリジナリティ」とベースになる「エロゲらしさ」のバランスが良いですね。」
<review by たろんなーどさん>
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2008年09月05日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:「ふ」美少女ゲーム
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