灯穂奇譚(7.5)
2007年12月25日
| ▼ タイトル | 灯穂奇譚(とうすいきたん) | |
| ▼ ブランド | 水鏡 | |
| ▼ ジャンル | ノベル | |
| ▼ 対応OS | Win98SE/ME/2000/XP | |
| ▼ メディア | CD-ROM | |
| ▼ 定価 | 税込\3,150(税抜\3,000) | |
| ▼ 発売日 | 2005/04/29 | |
| 【CG観賞モード】 | あり | |
| 【シーン観賞モード】 | あり | |
| 【BGM観賞モード】 | なし | |
| 【メッセージスキップ】 | あり | |
| 【メッセージ履歴機能】 | あり | |
| 【オートモード】 | あり | |
| 【ヒント機能】 | なし | |
| 【セーブ数】 | 無限 | |
| 【エンディング数】 | 3個 | |
| 【ディスクレス起動】 | 可 | |
<ストーリー>
転居から10年の時を経て、生まれ育った山村へと足を踏み入れた主人公・永井桐人(きりと)。
その目的は、村に遺してきた生家を、完全に引き払うためであった。
成長を遂げた、幼なじみの加茂カナタとの邂逅と、久しぶりに四肢に染み渡る田舎での生活は、都会での生活に疲れた桐人の心に、潤いに似た安堵感を与えていた。
しかし…。
夜、偶然見かけた二匹の蛍。
何気なく、その飛び行く先を追いかけているうちに、桐人は村で奉られている神社へと導かれる。
そこで感じたのは、幼少の頃には微塵も感じることが無かった、深い闇。
その日から、見慣れた田舎の風景は一変した。
桐人の心を徐々に蝕む、深遠から染み出す空気。
彼の心は徐々に虚妄に支配され、自分自身を維持するための葛藤の時間を必要としていくことになる。
そんな中――誰もいないはずの神社で出合った、一人の少女。
その瞬間、桐人の見知った世界に大きな亀裂が走り――
彼は、村に埋もれていた禁忌へと呑まれていく。
村に残る、謎の風習。
「夜に大声を出してはいけない」
「夜に人と争ってはいけない」
「月の無い夜に、女性は人前に姿を見せてはいけない」
全て、同じ苗字の村民。
神社の奥に奉られているという“祠さま”。
夏の日差しの裏側にある、月光さえも届かぬ世界。
その目に映る幾多の灯火は、何を導き、何を語りかけるのか――。
<キャラクター紹介>
加茂カナタ(CV:成瀬未亜)
主人公・桐人の幼なじみ。
顔にも身体にも幼さが残る、至って健康的な発育途中の○○生。
桐人をキリ兄と慕い、優しく、物腰の柔らかい性格であるが、軍鶏や野犬と素手で互角に張り合えるほどの攻撃力を有している。
村の外の世界を知りたいと思いつつも、二人暮しの母を残していく事に躊躇いを感じている。
「初潮はまだなの…」本人談
稗田霧香(ひえだ きりか/CV:北都南)
ちびと眼鏡とゴスロリと非力がトレードマークの民俗学者の卵。
見た目とかけ離れた剛胆な性格と明晰な頭脳で、真理のためならば流血事すら辞さない行動派。
社会科学だけでなく、自然科学の知識に精通し、徹底した合理主義に、恐ろしいほどの推理力。
そして他人の意見は参考程度にしか聞かない独断力で、今回は佐奈伎の村の謎に挑む。
難しい謎を解くと、頭の熱暴走の関係で鼻血をたらすのがチャームポイント。
ナミ(CV:一色ヒカル )
深夜の佐奈伎神社で、桐人が出会う少女。
自分よりはるかに年少であると思われるナミ(身長145㎝)に、桐人は見たこともない母の抱擁を感じる。
悠久の時、この地でたった一人、形を持たない魂に名という形をあたえ続ける少女。
真名、そして灯穂…。
漆黒に沈む、佐奈伎(さなき)の谷の底、桐人が知ることになる村の真実。現と幻の裂け目の先にある光景。
そこで――息づくものとは。
このホームページは水鏡より一部文章を抜粋しています。
素材の著作権は水鏡に帰属します。
<購入動機>
ミステリアスな雰囲気のゲームだったので^^;
「読むのが面白そうだな」という理由で購入に至りました。
北都南さんや一色ヒカルさんも出演なさっているという声買いもあります。
<ゲームの概要>
全編、テキストが縦書きで表される、ノベル形式のゲームです。
ノベル形式といっても選択肢はありますし、分岐点もあります。
ミステリアスな感じがする、ストーリー重視のゲームです。
<システム補足>
インストール形態はフルインストールのみで、約620MB必要です。
一度インストールしたら、次からはCDを挿入しなくてもOKです。
また、本作はメッセージウィンドウが無く、ノベルは全て縦書きで表されます。
画面全体にテキストが埋まるので、CGを文字が隠してしまう、という事になります。
「CGを見にくくするとは何事か!」と怒る方もいるかもしれませんが、極めて「和」の雰囲気を大切にする本作では、これもまたありかな、と。
修正ファイルがアップされています。
当てると、未読・既読スキップが可能になる他、縦書き・横書き選択機能などが追加されます。
同人の低価格作品ですが、きちんとオープニングムービー・エンディングムービーも用意されています。
<音楽・音声>
女性キャラはフルボイスです。
出演なさっている声優さんは有名な方ばかりなので、安心して聴けます。
登場人物は、大体がロリであり、かわいらしい声です。
音楽は、結構手の込んだ作りだな、と思いました。
ピアノだけで作られた曲があると思えば、ギターや擦弦楽器のピッチカート等を使って作られた曲もあります。
謎が次々と出てくる作品ですので、音楽のもたらす効果も大きかったと思います。
ただ、もうちょっとシンプルな曲があっても良かったかもしれません。
<原画・CGなど>
原画は 基4%さん。
CGは、ロリを表現するのに適した絵柄です。
瞳が大きく、表情の変化も良く表現されていますね…稗田以外は^^;
色使いは全体的に淡いです。
と思いきや、突然暗い画面に真っ赤な眼が映し出されたり、と驚きを誘う場面も…。
ただ、上記の通り、テキストが縦書きで書物のように画面全体に書かれるので、必然的にCGが見づらくなります。
まぁ、右クリックを押せばテキストを消すことはできるので問題ないですけどね^^;
<エッチシーン>
登録されるエッチシーンは、5個と少なめ。
全て1対1の和姦で、相手はロリです。
「とっても恥ずかしいけど、お兄ちゃんが大好きだから我慢するよぉ」
という妹キャラに萌える方にはお勧めできますが、基本的にエッチシーンよりもストーリー重視ですから、そんなに期待は…。
淫語ですが、放送禁止用語にはピー音が入ります。
消しの長さは「1文字分はしっかり消えている」、といったくらいの長さです。
<感想>
前半は田舎の開放的な暮らしとヒロインの描写が主で、中盤は村の謎の風習と奇妙な体験、そして終盤に…、と物語は進んでいきます。
ヒロイン・カナタは、野犬の群れを素手で追い払うことができるという元気少女ですが、そんなヒロインに箒(ほうき)で持ってぶん殴られたり、川原で昔のように、はしゃぎながら遊んでいたら、ふとした瞬間に「子供」だと思っていた妹キャラに「女」を感じることがあったりと、キャラの魅力は十分に描かれています。
感情移入しやすい雰囲気ですし、できれば後々になって響いてきます。
また、前半では、幽遊白書や初代ファミコン等のゲームネタ等書かれていて、そういったネタが分かる人は楽しいかもしれません。
そして、少しずつ田舎故の奇妙な風習が見え隠れし、「神隠し」「不気味な神社」等、ミステリアスな展開に物語は進んでいきます。
「銅鐸」「新嘗祭」「イザナギ・イザナミ」
以上のような言葉が出てくる、日本古代史・古代神話などを多少なりとも知っていると、本作をスムーズに読み進めることができるかもしれません。
本作では、それらがかなり深いところまで説明されていて、ゲームの主題を支えています。
「月の無い夜に、女性は人前に姿を見せてはいけない」
「かわひらき(蝶)を見てはいけない」
「女性は、月の夜にこの村から出てはいけない」
このような謎が謎を呼ぶ風習。
巨大な銅鐸。
2人以上のときは見ることができないのに、1人でいるときは見ることができる蛍。
祠様の祟り。巫女服の謎の少女。
神社の奥に、無限に続いているかのような長い廊下。
以上のような、日本人の古風な文化の背景や教育を礎とした、本能的な禁忌や恐怖・謎に対する探究心を上手に物語と絡め、なおかつ幽玄さを醸し出す音楽で雰囲気は盛り上がります。
そして、そこに「強い愛」と倫理で板挟みになる苦悩等も上手に表現されています。
こういった終盤の読ませ方は秀逸で、一気に物語を読ませてくれました。
そういった意味では、画面全体に書き出される、縦書きのノベルも、「CGを隠してしまう」といった欠点よりも「テンポ良く読ませ、ホイールによる読み返しも少なくする」と言った長所の方が多くあると感じました。
決して一般的とは言いがたい内容ですし、万人受けも…どうでしょう。
でも、「作りたいものを作る」という製作者の意気込みと、日本古代史への考え等が伝わってきたようで、狭く深い主題の良さが伝わってきたように感じます。
<10点満点での総合評価>
7.5点
同人ゲームだから形にできた主題であるかもしれません。
「ゲーム」というよりも「ノベル」に近い作品でした。
「妹萌え」「日本古代神話」「幽玄」この3つのキーワードのうち、2つ以上に興味をそそられる方は、チェックしてみては如何でしょうか。
値段以上に堪能できました。
お気に入りのキャラ:加茂サユキ… 物語を読んでいる途中、一番動向が気になった人なので。
最後に一言:「次も和風なゲームをお願いします。」
<review by ひびきさん>
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2007年12月25日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:「と」美少女ゲーム
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